最小公倍数と最大公約数の関係

正の整数 a,b に対して,最大公約数を g ,最小公倍数を l とおくと
ab=gl
が成り立つことを示してください。

@Nicolas
a,b の素因数分解をそれぞれ a=p_1^{e_1}p_2^{e_2}\cdots p_k^{e_k} b=q_1^{f_1}q_2^{f_2}\cdots q_l^{f_l} とします(ただし, p_i, q_j は素数とします)。
このとき,最大公約数 g は, a,b の共通な素因数を全てかけたものになります。すなわち, g=p_1^{\min(e_1, f_1)}p_2^{\min(e_2, f_2)}\cdots p_k^{\min(e_k, f_k)}q_1^{\min(e_1, f_1)}q_2^{\min(e_2, f_2)}\cdots q_l^{\min(e_l, f_l)} と表されます。
一方,最小公倍数 l は, a,b の素因数分解で各素因数の指数が最大となるようにかけ合わせたものになります。すなわち, l=p_1^{\max(e_1, f_1)}p_2^{\max(e_2, f_2)}\cdots p_k^{\max(e_k, f_k)}q_1^{\max(e_1, f_1)}q_2^{\max(e_2, f_2)}\cdots q_l^{\max(e_l, f_l)} と表されます。
これらより, gl=p_1^{\max(e_1, f_1)+\min(e_1, f_1)}p_2^{\max(e_2, f_2)+\min(e_2, f_2)}\cdots p_k^{\max(e_k, f_k)+\min(e_k, f_k)}q_1^{\max(e_1, f_1)+\min(e_1, f_1)}q_2^{\max(e_2, f_2)+\min(e_2, f_2)}\cdots q_l^{\max(e_l, f_l)+\min(e_l, f_l)}
となります。ここで, \max(x,y)+\min(x,y)=x+y であることに着目すると, gl の素因数分解において,各素因数の指数の和が ab の素因数分解におけるその素因数の指数に等しくなることがわかります。したがって, ab=gl が成り立ちます。